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頭皮下のむくみ

ヘアスタイルはとても気になるもの。

髪の毛はその長さ・色・分け方・アップの仕方など、その人の見た目を決める大きな要素になります。

また、髪の毛が多いか少ないか、抜け毛の量や生えて来ない所がある等、事あるごとに話題になるものです。


頭部の体調面として、痛み・重み・ボーッとする感覚などをしばしば感じている方もいるでしょう。多くの人は、頭にこれらの症状を感じ始めると、画像診断を受けて脳腫瘍や脳血管障害の有無を調べます。そして様々な薬を服用して症状を軽減する対処を行っています。

 

このように頭の表面の皮膚と髪の毛。そして頭の内部については注目しますが、このちょうど中間にある頭皮と頭蓋骨との隙間の部分は”髪の毛の下は硬い頭蓋骨なので症状がない”という認識ではないでしょうか。

この部分は解剖学的には、頭蓋骨と髪の毛が生えている頭皮は帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)という薄い筋の膜を挟んでほぼ完全に密着し、硬い認識で間違いはありませんが、ここには僅かな組織の隙間が存在しています。

 

三療(鍼・あん摩・指圧・マッサージ・灸)で治療を行う私達は、頭皮を通じて頭蓋骨部分に指を当て、押さえてみることで痛みや気持ちよさの感覚、むくみなどの反応を見つけ出し、そのポイントを重視して治療を行っているのです。頭には、精神・神経的な病、頭痛などの症状に効果のあるツボが多く配されています。

頭の頂点にある”百会(ひゃくえ)”と呼ばれるツボをご存じの方もいるでしょう。 


今号ではこれらの反応のうち、この部分つまり頭皮下のむくみに着目してみます。体がだるい、なんとなく全身の不調が続く、慢性的な睡眠不足、目の痛みや疲労あるいは遠近調節の障害、耳鳴りや眩暈(めまい)、歯痛やあご関節の嚙み合わせの障害、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿[ちくのう])、首や肩の凝りや痛み等があると、頭蓋骨と頭皮とのわずかな隙間にリンパ液が広く溜まってきます。


頭の各所に触れ、押さえてみると、硬さではなくフワフワ・ブワブワといった柔らかい状態になります。

溜まっているリンパ液を三療治療でうまく流すことで、短期間で硬い頭に変わってくると同時に、上記の症状も軽減・消失してきます。頭に適切に触れられると大変気持ちよさが感じられるものですが、頭はとても敏感な部分です。


昨今、ヘッドマッサージと称する長時間の施術広告を見受けますが、長すぎるのは頭をボーっとさせてしまうので逆効果です。鍼が頭にピンピンと垂直に刺さっている光景を見ることがありますが、薄い頭皮の隙間に鍼を長く滑り込ませ、立たさないような入れ方をしなければ大きな効果は得られません。

灸は頭のむくみを解消させる効果については、鍼に比べるとさほど期待できないものと考えます。

皆さんもご自分の頭を押さえてみて、硬いか柔らかいか確かめてみてください。 <第39号>

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