鍼(はり)と聞くと、その言葉の響きから“縫い針”や“注射針”を思い浮かべてしまい「痛い」というイメージから尻込みしてしまう人は多いと思います。
「痛くない鍼を行います」というアピールをしている治療院もありますが、鍼は金属であることに違いはなく、それを体に入れるのですから痛みを全く感じないというのは正しい表現とはいえません。
痛みの感覚
チクチク、チクッとするといった鋭い痛み
物にぶつかったり打撲したりした時に感じる鈍い痛み
1.は誰もが苦痛と感じる嫌な感覚で、すぐに遠ざけたい、我慢のできない痛みです。
2.は人それぞれに少し感じ方が違っていて、「重苦しい、グッとくる、ドンとくる、響く、痛(イタ)気持ちいい」などと表現され、ある程度は我慢のできる痛みです。
ただ「痛み」の感じ方は人それぞれに大きく違っています。
痛みに弱い人と強い人、1.の痛みと2.の痛みの区別が付かない人など、一人として同じ感覚の人はいません。
鍼治療では、1.の痛みを感じる時は、施術者の刺し方の問題で、治療効果にはつながりません。
2.の感覚を感じる時がはり治療の独特な感覚で、この感覚がわかってくると、痛みを我慢できたり、この痛みを気持ちよさとして感じることができるようになります。 「痛(イタ)気持ちいい」と表現される感覚が最も多く、この感覚により脳内から痛みを鎮める物質が出ることもわかっていて、これが治療の効果につながるとされています。
痛みの強度
もう一つ、痛みの強度を左右するのは、
施術者の鍼の刺し方とその熟練の違い
刺す鍼の太さと長さの違い
1.では、鍼の刺し方や抜き方、刺してからの刺激の与え方の良し悪しが大きく影響し、熟練が求められます。 2.では、太い鍼ほど強い痛みを、細い鍼ほど弱い痛みを与え、また長い鍼の方が鍼のたわみによって緩和な刺激となります。
当院では、日本において製造されている最も細い鍼を用いて治療に臨んでいます。
35年余りの経験を生かし、患者さんの痛みの感覚に合わせた刺激を自在にコントロールして鍼を行っていますので、安心して治療を受けていただけるものと思います。ぜひご相談ください。
<第4号>