top of page

足のむくみの対処法


人の体は60%が水(体液)で成り立っています。

体重70㎏の人だと、体液の全量は42ℓ、このうち細胞の中に28ℓ、細胞の外に11.5ℓ、血液の中に3.5ℓのバランスで分布しています。この体液は細胞及び血管の中と、外の全身の組織との間で常に移動が行われていて、生理的なバランスを保っています。しかし様々な原因でこのバランスが崩れ、全身の各所に過不足が起きます。


体液が過剰になって体表面から見える部分の状態を”浮腫(ふしゅ)”または”むくみ”と呼んでいます。

中でも足にみられるむくみは日頃より多くの人が経験し、気になっている部分です。通常の足に環流する体液は、心臓のポンプ作用、リンパ管にある弁の作用、ふくらはぎなどの筋肉の活発な収縮と弛緩などによって重力に抗してたまり残ることなく心臓に戻っていきます。いずれかの機能が低下したり、静脈瘤などの疾患、リンパ節切除手術後などでむくみは起きてきます。

 

足全体の見た目のスタイルに違和感や太さの左右差がなく、膝より下で足首までの部分の内側にある脛(けい)骨の向う脛(むこうずね)と内側に向いた平たい部分を硬くしっかり触れることができる状態であれば、むくみはほとんどないものと考えていいでしょう。むくみが出てくると、足首が太くなり、脛骨の部分を押すと硬さを感じられず、指で強く押さえると痕が残り、実際に足全体の重みも増し、自覚的にはだるさや疲れ、むくみ感を感じやすくなってきます。

 

軽い一過性のむくみは、一晩眠って翌朝起きると解消しているものです。しかし長年むくみが続くようになると次第に解消しにくくなります。仰向け(あおむけ)で寝る場合は、踵(かかと)の部分に足枕を置いて足を少し高くして寝てみましょう。仰向けで股関節・膝関節・足関節の曲げ伸ばしをしてみましょう。うつ伏せで膝より下の力を抜いて踵をお尻にぶつけるように早くリズミカルに動かしてみましょう。太腿・膝裏・膝下・足首・足先の順に股関節に向かって下から上にやや力を加えてゆっくり撫で上げてリンパを戻してください。

 

当院の三療(鍼・あん摩・指圧・マッサージ・灸)治療では、リンパの流れを促進することを目的に、流れの中枢から末梢に向けてリンパ解剖学に基いた施術を施し、合わせて筋肉の緊張を緩めてむくみの解消を図っています。食生活の改善や運動についてもアドバイスを行っています。


なお、むくみは全身の疾患から生じていることもあるので侮ってはいけません。マッサージの行い方については適切な順序があるため、直接のご相談をいただけると効果も増すものと思います。ぜひご相談ください。

                                         <第27号>

bottom of page