台風・豪雨・地震・猛暑。自然現象に関わる情報を聞かない日はありません。
8月16日は台風7号の襲来に伴い、東海道新幹線は東京~名古屋間を早々に終日運休としました。
台風発生当初に静岡県より東を直撃するという気象庁からの核心に満ちた度重なる予報に基きJR東海が判断したことです。しかし、実際はここまでするほどの悪天候にはなりませんでした。東海・関東沖の台風は急速に東に流れるわけで、私はこの運休が決まった時点で”やり過ぎ”と思いましたが、その通りになりました。
旅行を楽しみにされていた方に心よりお見舞いを申し上げます。
テレビ・ラジオ・SNSから発せられる情報によって今の私たちの生活が成り立っていると言っても過言ではないでしょう。一つの注目に値する話題が出ると、どのテレビ局でもその内容がこれでもかと言わんばかりに放映されます。話題が楽しいもの、良いものであれば心も軽やかですが、とかくそれらの話題は短時間、短期間で終わってしまいます。
一方、事件、事故など悲惨な出来事は、比較的長時間、長期間に渡って放映が繰り返され、心に重くのしかかり意識に留まってしまいます。自分とは関係がないはずの事柄であるにも関わらず、気持ちが翻弄されます。
そして昨今は、新型コロナウイルス感染に端を発して以来、様々な感染症や病気の話題が従来以上に取り上げられるようになりました。感染予防の観点からの注意喚起ではあるものの、度重ねて見聞きすると、不安感が募り恐怖心が湧き、生活上の行動にも影響が出てきます。
このような精神状態は、心臓・胃・副腎皮質などの機能に変調を起こし、それによって体調が思わしくなくなってきます。情報を収集して受け止める時には、自分にとって必要な内容とそうでない内容を吟味し、気持ちに影響が強く及ぼされるような情報は遠ざけ、心身に不調を感じてしまわないよう工夫することが大切ではないでしょうか。
三療(鍼、あん摩・指圧・マッサージ、灸)治療では、精神的緊張に伴って起きる頸・肩・背中の凝り、胃の痛みや不快感、下痢などの腸の症状に対してアプローチします。
”この場所が痛いのは○○病だと雑誌に書いてあった”、”ここが痛いと将来歩けなくなるとテレビで見た”などといった情報を真に受けて、不安が拭えなくなっている患者さんは案外多くいらっしゃいます。
話をよく聞き把握したうえで、病気に対する正しい認識と不安を抱き過ぎないようにするアドバイスをさせていただいております。 <第35号>