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歯イタ・歯ギシリ・クイシバリ



口は、上あご(上顎)と下あご(下顎)で口腔という空所を作っています。

手前に生えている歯は、子供で乳歯20本、成人で永久歯32本あります。上顎は頭全体と一体化しているため動きませんが、下顎は耳の前にある顎関節によって結ばれていて上下、左右、前後に動かすことができます。

物を噛む時、下あごを使って表情の一部を作る時には、この顎関節に関わる四つの筋肉が協力し合って口を閉じて歯を強く合わせ、左右前後に動かして歯を擦り合わせることができるのです。


“歯イタ”は、主に虫歯によって歯そのものや歯の根元の部分の歯茎(歯肉)が炎症を起こすなどして強く持続する痛みが起きるもので、ほとんどの人が経験しているでしょう。


“歯ギシリ”は、その原因の多くは過剰なストレスや強く口を閉じる癖などによって無意識のうちに睡眠時に生じ、これが歯の痛みや摩耗、上あごと下あごの噛み合せの不具合を招いてきます。

 

“クイシバリ”は、日常生活やテニス・重量挙げなどのスポーツの際に瞬発的に力を入れる時や日頃から精神的緊張感が強い人などにみられ、歯や顎関節に痛みが出てきます。

 

これらの痛みは通常、歯科や口腔外科などの医療機関で治療をするしかありません。しかし痛みが激しかったり、また長引いて苦悩している人も多くいます。歯そのものに加え、顎関節、頬の外半分の筋肉の部分、頭や首の後などに痛みは広がります。さらに、歯茎(歯肉)の炎症により、顎や耳の下のリンパ節が腫れるほか、肩凝りや精神的抑鬱なども生じて、日常生活に大きな悪影響を及ぼします。

 

三療(鍼・あん摩・指圧・マッサージ・灸)の治療でできることは意外と多く、上記の症状に対しては痛みを止め、リンパ節の腫れを軽減してリンパの流れを促進させることで回復を早めることができます。


また、耐えられないような激しい痛みが続く時には、手の親指と人差指の間にある有名な“合谷(ごうこく)”というツボをやや強く持続的に圧迫したり、口を開けて耳の前にできるくぼみの部分に指を入れて、同じく圧迫するなどのセルフケアも有効です。


さらに炎症に伴う腫れが長期に続くと、顔が浮腫んで大きくなり、美容的にも良くない状態になるため、炎症を鎮める治療と合わせて小顔になるための鍼やマッサージもお勧めできます。      <第28号>

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