生まれたばかりの赤ちゃんの手のひらと足の裏は、ほぼ平らで皺(シワ)もほとんどない、スベスベのとてもきれいな皮膚面です。これが月日を重ねるうちに目的に合った表面の形へと変化していくのです。
両者とも5本の指に向かう縦方向に走る長い筋肉と横または斜め方向に走る短い筋肉の総合的な作用によって内在する骨が関節を通じて動かされ、それぞれの形が整っていきます。これに伴って皮膚面には皺が形成されるのです。
手のひらは、指の屈曲によって横方向の皺が、親指と小指を向かい合わせる作用によって縦方向の皺が作られ、成人までには皺の位置や長さが定まります。この皺は”手相占い”として知られていますね。
足の裏は指を曲げることが主要なので多数の横方向の皺がみられます。
手のひらは、他の動物にはない親指と小指を向かい合わせることのできる”対立”という運動作用があるので、親指側と小指側に筋肉の発達による高まりができ、中央部分が窪んで水をすくって溜めるようなことができます。
足の裏は、二足歩行のために内側の親指側につながる筋肉を中心に力が加わることで上向きのアーチが形成され、これを”土踏まず”、アーチが浅い場合を”偏平足”と呼んでしばしば話題に上がりますね。
手のひら、足の裏ともに皮膚面の組織はとても硬く、痛みを強く感じる場所のため、小さな傷ができても苦悩を感じます。特に足の裏に”魚の目”ができると長期間に渡って歩く度に痛みが続き、疲れの元凶にもなります。
東洋医学的には全身を巡る経絡の通り道になってはいるものの、痛みが強いためからでしょうか、正式な治療点としてのつぼは手のひらには2つ、足の裏には1つしかありません。
三療治療のうち、あん摩・指圧・マッサージは大変心地いいものです。特に手のひらの中央は心臓の動悸や早い脈拍を押さえる効果があり、指圧がお勧めです。”足つぼ療法”なるものがあり、足の裏全体に全身に関連する部位があって、それを治療するという療法がありますが、私はこれにはあまり賛同いたしません。
手のひら、足の裏への鍼は強い痛みが出ますので、耐えて治療できる人は限られます。お灸で魚の目を焼き切って根治させるという治療があります。
私は中学生の時、魚の目ができましたが、それを興味半分(今ならいじめ状態)で数人に押さえつけられて焼かれ、大やけど。けれども幸いにも効果は発揮され、奥深い根っこがすっぽりと完全に取れ、大成功。
これは実際的ではありませんが適切に灸を施せば可能ではありますが、、、。
面積的にはとても小さい手のひらと足の裏ですが、痛みや疲れを感じない部位として大事にしてほしいものです。 <第46号>