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急な寒さと体の変化

  • yshibata63
  • 2024年11月11日
  • 読了時間: 3分

9月までずれ込んだ猛暑の夏が去ると、秋を飛び越えて冬のように感じられる気温の日も出てくるという昨今。急激な気温の変化は私達の体に少なからず悪影響を及ぼしてきます。

 

気温が高いときは、体の血管、特に皮膚の血管は全体として拡張状態となり、血圧も低めです。

皮膚からは発汗と、意識に上らない水分の蒸発とが盛んに行われ多くの体液やミネラル成分を排出すると共に体熱を放散させることで外部の気温に引きずられて体温が上昇してしまわないような仕組みになっています。

 

自律神経的には、強い交感神経の作用によって発汗が生じているため、消化や吸収を行う副交感神経の働きが抑えられ、食欲が減退する人が多くなります。また筋肉も緊張性が弱まって体のだるさが強まってきます。

一方で暑さのために発汗量を上回る量の冷たい飲料の摂取が続くと体液量が増えてしまい、下肢を中心としたむくみも生じます。

 

気温が低くなる、特に急激な低下が起きると、上記のような体内の状態のままでは望ましい生命活動は維持できません。しかし幸いにも私たちの体は、自律神経を中心とした反応が正常であれば外気温の変化に比較的速やかに反応することができるのです。

 

発汗と体熱の放散が止まり、交感神経と副交感神経の緊張バランスが整い飲料の摂取も自ずと減ってきます。ただ、体内の水分バランスが整うまでには少々の時間を用します。発汗量の急減、と体内に蓄積した水分排泄を行うために数日間に渡る尿量の増加によって排尿回数が増えます。

むくみやむくみ感もしばらくの期間続きます。

 

この気温の変化に寒さを感じる場合には、筋肉の緊張が高まり体が硬く縮こまり、血管に対する交感神経の作用が増して血圧の上昇が起きるようになり、体調の不調を訴えることになります。

 

近年のこのような気温の変化にどのように対処して健康を維持できるかが課題になってきました。

暑い夏場には多飲を避け、睡眠や休養をどのように取りながら生活するか、気温の急激な低下に際しては衣服の調節による体の保温や筋肉が硬くならないための運動の再開をいかに速やかに行えるかなどがポイントになると思います。

 

三療(鍼・あん摩・指圧・マッサージ・灸)の治療では、自律神経のバランスが崩れた方に全身をソフトな刺激によって変調を整え、むくみやむくみ感を感じている方には主に下肢を中心にあん摩・指圧・マッサージを行うことで体液の吸収を促進させます。体が硬くならないようにするためには、背中や腰を中心に筋肉を和らげる治療を行います。体に表れる変化を素早く察知して、本格的に訪れる冬に備えてください。 <第43号>

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