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女性特有の痛みを和らげる

今は、“中秋の名月”といわれるように夜空に浮かぶ、まあるいお月様に目がいく季節。

美しく眺めることのできるこの大きな満月の十五夜お月様は古来から、人、特に女性の体に及ぼす自然の力を持っていることが知られています。

 

月の満ち欠けと女性の性周期はほぼ同じ周期で回っているとされます。

つまりおおよそ28日おきに現れる月経(生理)は満月に重なって起こり易いとも言われています。

出産も満月の日、あるいは潮の満ち引きの中の満潮の時間に進むことが多いようです。

 

女性は、月経、妊娠、出産、閉経など、一生涯に渡って体の中で多くのイベントをこなして生活しています。これらは主に女性ホルモンの作用を受けながら行われます。正常に行われれば大きな問題はありませんが、いずれもホルモンの微妙な調整に体がデリケートに反応して、不調和を生じてしまいます。西洋医学的には月経前症候群(PMS)、月経困難症、産後鬱(うつ)、更年期障害など、東洋医学的には“血の道症”という病名が付けられており、女性の日常生活に負担や苦しみを与えます。また男女が存在する社会では、症状の訴えを明らかにしにくい側面もあり、女性は我慢を強いられたりもします。

 

これらの病気では、月経痛(生理痛)・腰痛・腹痛・頭痛・動悸・火照り・のぼせ・不眠・憂鬱・イライラ感など、様々な症状が現れます。特に28日周期で現れる月経は、多くの女性に一人一人異なる、身体的・精神的症状を生じさせます。中でも月経痛とこれに伴う様々な部位の痛みはとても深刻で辛いものです。

 

痛みは、下腹部から腰、その下の仙骨(せんこつ)とその両側につながる腸骨(ちょうこつ)との関節である仙腸関節(せんちょうかんせつ)、臀部や大腿部の筋肉にも広がり、さらに頭部にまで波及します。

痛みの性質や強さ、期間も人それぞれで、実に多様です。

 

三療(鍼・あん摩・指圧・マッサージ・灸)は、月経痛を和らげる大きな効果を有しています。

直接的には上に述べたような場所と関係する部位に施術を行いますが、大切なのは治療を行う時期です。

月経が始まる2~4日ほど前に治療を行い、月経開始までに子宮内あるいは腹部全体と骨盤周辺の循環環境を良くして整えておきます。これは排卵痛を感じている人にも適用できます。


周期が安定している人には特に有効で、数か月続けてみれば、必ず痛みは軽減できるはずです。

痛みが和らぐと、自律神経的・精神的な不快症状もおのずと感じにくくなります。また飲み続けている痛み止めの服用を減らすことにもつながり、月経中も負担の少ない日常生活を送れるようになることでしょう。 

                                          <第37号>

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