体と荷物のいい関係 ~後編~
- yshibata63
- 2月10日
- 読了時間: 3分
更新日:2月10日

前号からの続きです。
背中の形:
コラム第18号”背格好(せかっこう)は痛みを語る”でも書きましたように、人の背中の真ん中には縦に脊柱と
いう椎骨の重なりがあり、この重なりは”生理的湾曲”と呼ばれ、頸椎は前寄り、胸椎は後寄り、腰椎は前寄り、仙椎は後寄り、尾椎は前寄りに位置して緩やかなカーブを描いています。
背中のほとんどの部分は、胸椎に連なる肋骨が前方向に半円を描いて広がり、上部左右外側には肩甲骨があり、腰の部分は仙椎(仙骨)から連なる骨盤が土台となって、これらが背格好のベースとなります。さらに、筋肉と皮下脂肪が間を埋めて背中の表面全体を形作っていきます。
背中の形は人それぞれに実に様々です。特に生理的湾曲は、胸椎が前寄りに、腰椎が後寄りに本来とは逆のカ
ーブになっていたり、カーブがほとんどなく真っ直ぐだったりと定まっていません。筋肉の発達の状態や皮下脂肪の量や付き方で形は変わっていきます。
背中とリュックとの適合:
痛みを出さないためには、背中とリュックとが望ましい適合できているかどうかが重要になってきます。
背中とリュックの面ができるだけしっかり密着していることが望まれます。
リュックの紐を長くして腰より下にぶら下げるようにして背負うと背中から離れて左右に振られるため、最も
不適合です。リュックの底面は腰の高さで終わるようにしましょう。
背中のどの部分が前寄りまたは後寄りになっているか、あるいは真っ直ぐなのかを把握し、それに合うようなリュックの前面の形態を見極めて選ぶことが必要です。
ただしリュックの前面中央が凹面になっている商品は少ないように思いますので、痩せて背骨が当たるような
出方をしている人は該当するリュックが選びにくい可能性がありますのでご注意ください。
背中や腰にすでに痛みがある人は、リュックを背負う際の初動作は、荷物の前で腰を落として座り、安定した姿勢からリュックの背負い紐に両手をしっかり差し入れ、肩にかけてからゆっくり立ち上がるようにして下さい。中腰からの立ち上がりや左右に荷物を振りながらの背負い方は痛みを助長します。腰ベルトは、リュックを背負って位置を確定してからしっかりと固定して締めましょう。
荷物と三療(鍼・あん摩・指圧・マッサージ・灸):
重さがかかって痛みを発症している部位に治療を施します。悪い姿勢の改善や荷物の背負い方のアドバイスを
行い、歩行時の負担を少なく荷物が長時間背負える手助けになれればと取り組んでいます。
<第51号> (次号へ続く)