日本の年末年始は、クリスマスに始まり、年越しそば、お正月そして七草粥で締めくくるまでの2週間に渡って”食べる行事”が並び、毎日のようにお腹を満たす日々が続きます。
加えて忘年会や新年会などといった飲み会の席があれば、お酒の回数も増加します。
クリスマスにはケーキやローストチキン、お正月にはおせち料理、加えて鍋物や焼き肉などを食べる方も多いでしょう。これでもかとお腹をいっぱいにして、実に満足感あふれる思いができる時期なのです。
年末年始は多くの人が日々の仕事から解放されることで、様々な緊張感から解かれます。
交感神経の緊張が緩み、副交感神経が優位となって、内臓の働きが活発になり、摂取した栄養はよりよく吸収される環境が整います。この時期に現代人が食べるご馳走はほとんどの物が高カロリーです。
ケーキを筆頭にお節料理の定番であるだし巻き卵・黒豆・栗きんとん、、、などの甘いもの、お餅や蕎麦などの麺類には糖質(炭水化物)が、ローストチキンやハム、焼き肉や鍋物には蛋白質が、ケーキや数の子、いくらには脂質(コレステロール)が、それぞれ過剰に含まれています。もちろんビタミンやミネラルなどの栄養素も全体の食材を通じて十分に含まれているので栄養価としては申し分ない環境です。
この時期は、寒さから身を守るために栄養を蓄え、保温のために暖かい飲食物を求めるのが人間の体に備わった自然の節理です。ここに糖質・蛋白質・脂質の高い食べ物を連日連夜、大量に摂取するという、ある意味異常で過剰な栄養状態の日々が続くというわけです。また伝統的なおせち料理は本来、長期間の保存に耐えられるよう作られた側面があり、塩分濃度が高い品目が多くなっているため、血圧上昇を招きます。
1月7日に体重を測ってみてください。何キロ増加しているでしょうか。
また定期的に血液成分の検査をしている人は、その数値の変化をみてください。体重が3~4キロ以上増えている、コレステロール値や血圧が上昇しているなどの状態があれば、これを元に戻すには大変な努力が必要になります。意識しないでいると、悪い意味のベースアップにつながり、もしかすると1年間元に戻らないかもしれません。体調が振るわない原因にもつながります。
自身への自戒も込めて書きましたが、年末年始は腹いっぱいにする日は1日おきに、生野菜や低カロリーの食材を合間に入れるなどして、体重増加と血液状態の悪化に気を付けながら食べ物行事を楽しみましょう。
<第12号>