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おなかの表情


あん摩・マッサージ・指圧の違い

年末年始の食行事の連続で体調を崩していませんか?    

おなかの状態は悪くなっていないでしょうか。

 

人の顔には実に多彩な表情があり、時々刻々(じじこくこく)と変化すると共にその状態は様々に表現されます。

心の中の感情の動きは、笑顔・泣き顔・驚きの顔・ドヤ顔など喜怒哀楽として表情に反映されます。

体に加えられた痛みや冷たさ・暑さなど苦痛を感じた時には特有な表情が表れます。また、パーキンソン病や副腎皮質(ステロイドホルモンなどを分泌する器官)の病気などでは特徴的な顔付きが生じます。

 

このような心の感情や、外からの刺激に対して、人の体の中には顔に加えてもう1か所、その表情を見せる所があります。それはおなかです。おなかは肋骨と骨盤の硬い骨の部分を除いた前面を指し、柔らかい組織で覆われています。中には心臓と肺を除いた臓器が押し込められています。


これらの臓器はそれぞれ異なる働きをしていますが、多くは飲食物を取り込んでそこから栄養を吸収して不要な物を尿や便として排出するプロセスのいずれかの仕事に関わっています。


このおなかの中の状態は、飲食物の種類や量、食物に含まれている細菌などの微生物(腸内細菌)の存在、各臓器の働きの強弱を調節する自律神経、そして日常の精神活動などの影響を受けて刻々と変化しているのです。

 

おなかの変化を知ることができる音として、胃や腸の動きで生じる音(西洋医学ではグル音、東洋医学では腹鳴(ふくめい)と呼ばれます)で、皆さんも聞いたことがあると思います。


ではおなかの表情はどうしたらわかるでしょうか。おなかの内部の状態は、神経を通じて皮膚に映し出される仕組みが備わっているのです。それは触れてみなければわかりません。


おなかは色の変化はほとんど起きません。

まずおなかに自分の手でそっと触れてみましょう。

暖かいか冷たいか、柔らかいか硬いか、すべすべか凸凹か。次に少し力を入れて押してみましょう。

手が沈むか沈まないか、痛みがあるかないか、気持ちがいいか悪いか。必ず変化があります。

これがおなかの表情です。毎晩ベッドに入って、眠る前に実践してみてください。

 

三療(鍼・あん摩・指圧・マッサージ・灸)では、おなかの表情をとらえて刺激を与えて治療をします。

この刺激は神経を通じて臓器に作用し、不調和を整え正常な働きに戻していきます。

おなかの最も良い表情は、ほどよく暖かで無表情な顔なのです。私はそれを目指して日々の三療治療を行っています。  <第13号>

                                            

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