いま話題の脊柱管狭窄症って何? ~後編~
- yshibata63
- 3月6日
- 読了時間: 3分

脊柱管狭窄症の症状:
頸部脊柱管狭窄症では首から肩、腕から指にかけての痛みと痺れが生じることで力が十分に入れられなくなり、文字が書きづらい、ボタンが掛けにくい、箸が持ちにくいなどといった日常生活に影響する症状が現れます。
腰部脊柱管狭窄症では、坐骨神経の支配領域である腰から臀部、太もも(主に後側と外側)から足先にかけて痛みと痺れが生じ、腰や背中の後屈、寝返りなどの動作に苦痛を伴うようになる他、歩行に困難が起きるようになります。
このうち歩行は、”間欠跛行(かんけつはこう)”と呼ばれる、数分・数百メートル歩くと痛みや痺れが強くなって立ち止まり、休むとまた楽になって歩けるようになることを繰り返す歩行が特徴で、この間隔は次第に短くなり悪化していきます。
脊柱管狭窄症は三療(鍼・あん摩・指圧・マッサージ・灸)治療で治るのか:
脊柱管は、水道管や下水管と同じく中は空洞で内壁はツルツル、滑らかで引っかかりがないのが普通です。
長く使用していれば内壁面が錆びついたり、外力が加わって亀裂や凹凸ができたり、汚物の付着で流れが悪くなったり止まったりするものです。
脊柱管狭窄症はその病名通り、管腔内に上に挙げたような引っかかりができることで、中を通る神経にそれらが触れたり圧迫されたりして、その神経の支配領域に症状が出るわけです。
三療の各種治療では、骨でできている管にアプローチして治すことはまずできません。
つまり手術しか治す手はないのです。にもかかわらず、病院や接骨院ではリハビリや温熱療法を施して症状を改善しようとします。そして私の三療院にも多くの患者さんがこの病名を引っ提げてご来院いただいています。
本来、種々の症状に対してつけられたこの病名が正しければ、外科処置以外では決して治すことが出来ないはずなのに、鍼などの三療施術で良好な生活を営むことができている人がいるのは何故でしょうか?!
この病名はCT画像検査やMRI検査で出た結果、脊柱管とその周辺のみの解剖学的物理的変化のみを基に付けられていて、神経の機能的な変化がどうなっているか、脊柱管を出た先の臀部・大腿部・下腿部・足先に至る部分で起きている変化までは含まれていません。リハビリや三療治療を行っても変化が少なく、手の痺れや足の間欠跛行が改善せず、日常生活がままならなくなれば手術に踏み切る必要があるでしょう。
症状が回復に向かう場合は、この病名が付いていても脊柱管を出てからの末梢の神経の走行経路に問題があり、それを鍼やあん摩・指圧で治すことができることになります。ぜひご相談いただき一定期間、三療治療を行ってみてほしいと思います。 <第54号>