いま話題の脊柱管狭窄症って何? ~前編~
- yshibata63
- 2月21日
- 読了時間: 3分

足が痺れる。足が痺れて痛む。痺れと痛みのために⾧時間歩けない。
じっと立っていると耐えられなくなって 座り込んでしまう。だから遠出ができない。旅行にも行けない。
高齢化が進み、主に50歳以上の人達の中にこのような症状を訴えながら生活する人が増えています。
脊柱管狭窄(きょうさく)症の病名の由来:
整形外科でMRIなどの画像診断によってこの病名を告げられた時、多くの人は不安と緊張を抱くようです。
漢字の並びを見てもおぞましい印象があります。併せて医者の説明にも丁寧さを欠いていた場合、患者さんは その意味を正しく認識する時間もないまま、不安だけが募ってしまうものです。
この病名が言われるようになったのは比較的新しく、MRIなどの画像所見による診断が一般化したことで、脊 柱管という場所の変化のみを総称して端的に名付けられた結果によるものなのです。
従来は、変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊椎滑り症、脊椎分離症、座骨神経痛などの病名が付けられていま した。これらは主に現れている症状を基にして付けられる病名でした。
もちろん上に挙げた五つの病名は現在も 健在です。”脊柱管狭窄症”の中に、上に挙げた変化や症状が含まれているのです。
丁寧な医師であれば、”脊柱管狭窄症”という診断名を付けたとしても、従来からある病名に基く脊柱の変化の 要素がどれくらい内在しているかを説明してもらえるはずなのですが・・・。
脊柱管とは:
脊柱は32~35個の椎骨が上下に重なり合ってできています(コラム19号参照)。
この椎骨の中心部は指が通 るほどの輪状の穴(椎孔)が縦に空いていて、この椎孔が首からお尻まで重なり合うことで一本の管状の管とな り、これが脊柱管と呼ばれる管です。
この管の中に脳から続く脊髄が入っています。脊髄には全身各所に向 けて神経が通じていますが、この神経は椎間孔と呼ばれる脊柱管の横合いに開く孔から出入りします。
脊柱管の狭窄とは:
椎骨が重なり合ってできている管なので、内部は真っ直ぐでも平滑でもありません。
体を動かすと共に前後左 右に動きもします。この環境下でも正常な状態では、神経に何らの影響もありませんが、椎骨の重なりがずれた り(脊椎滑り症、変形性脊椎症など)、管内の内面にカルシウムなどの物質が蓄積したりして、脊柱管内が狭くな ると、自ずから脊髄そのものや神経繊維が圧迫を受けることで末梢部に症状が出るのです。
特に影響が大きいの が腰部、次いで頸部(けいぶ)で、神経が支配する領域に症状が現れます。
<第53号> (次号へ続く)